プログラミングはいつから習うべき?家庭でできる土台作り【後編】
プログラミングはいつから習うべき?習うべき理由とは?【前編】(こちらをクリック)では、プログラミングを習うとリスクマネジメントや論理的思考の力が身につくこと、そしてプログラミング教室では生のプログラミングを万全の環境で学べることがわかりました。
【後編】では、プログラミングを習うべき時期や家庭でもできることをご紹介していきます。
プログラミングはいつから習うべき?
早ければ早いほどいい!2つの理由
理由1:プログラミングは実技
「英語は他教科と違い、スポーツと同じ実技だ!」と言われることもありますが、実はプログラミングもその一種。頭のみを使う高度で知的なイメージであるプログラミングも、実は身体性とも密接な関係があるのです。プログラミングは、自分の手指でキーボードやマウスを動かし、コンピューターに入力することで完結する作業だからです。
いくら英文法を学んでも英語を話したことがなければコミュニケーションがとれないように、いくらサッカー指導本を読みこんでもボールを蹴ったことがなければ何も始まらないように、プログラミングも身体の動作と共に行う必要があります。
もちろん、いきなり難しいコードを入力する必要はありません。子どもの発達段階に合わせながら、プログラミングという作業に慣れ、身体で覚えることこそが、プログラミングを早く習う意義となります。
理由2:思考回路が柔軟
子どもは年齢を重ねるごとに自我が発達していきます。これは当然のことですよね。
自我が発達すると好き嫌いや得意不得意、やりたいことやりたくないことが自分の中ではっきりしてきます。例えば、「一度算数が苦手、だから嫌い。」となってしまってからでは、算数に取り組む意欲を取り戻すのはなかなか大変です。
しかし、幼児や小学生は、思考回路がしっかりと定まっていないことに加え、経験自体が少なく物事に対するネガティブなイメージがまだまだ少ない時期です。
そのため、抵抗なくプログラミングに取り組み、柔軟な発想をすることができるので、プログラミングが「おもしろい!」「楽しい!」と感じる対象になりやすいのです。
早く習うデメリットはある?
同志社大学教授の三木光範氏は、小学校でのプログラミング教育必修化に対して、子ども時代からのコンピューター上での作業は、現実世界で学ぶ機会を奪ってしまうと述べています。
また、プログラミング習得に関しても、論理的思考力があればいつからでも誰でも習得でき、ICT機器操作についてもいつからでも対応していけると語っています。
しかしながら、小学生がプログラミングを好きになる導入としては適していると締め、興味を持った子どもが深く学べるような選択制とすることを提案し、どこまでを必修化とするかに論点があると述べています。
上記のように、プログラミング教育反対派の意見の多くは、全ての子どもに有無を言わさずプログラミング教育をすることに問題があるというものであり、プログラミングの早期教育を否定しているものではありません。
このような観点からも、子どもの様子を観察しながらプログラミングを学ばせることのできるプログラミング教室こそ、学ぶ場としては最適なのではないでしょうか。
参照:必修化盛られた小学校のプログラミング教育の問題点とは 同志社大学教授・三木光範
家庭でもできることはある?
いくらプログラミングの早期教育が良いとはいえども、既にいくつかの習い事を掛け持ちしているご家庭は特に、新たな習い事を増やすことに躊躇している方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこでここでは、家庭でもできるプログラミング教育をご紹介します。
子どもがプログラミングを習う姿をイメージできるようになるだけではなく、いざ子どもが本格的にプログラミングを習い始めたときの土台となってくれますよ。
プログラミングの土台となる力を養うには?
最初から正解を与えない
プログラミングで最も大切なのが、自分で悩み、問題を考えるというプロセスです。例えば、算数の勉強をするときに、「この公式を覚えると良いんだよ。」ではなく、「どうやったら解けるか一緒に考えてみよう。」と、最初から決して正解を与えないようにしましょう。
勉強だけではなく、料理を作る場面では、最初から「カレーライスの作り方はこうだよ。」とレシピを与えるのではなく、冷蔵庫を一緒に確認し、「今ある食材で何を作ることができるかな?」と考える練習をすることも一つの方法です。
アルゴリズム思考を理解しておく
アルゴリズムとは、プログラムをつくるときに用いる、問題を解決するための手順や計算方法のことです。プログラミングでは、目的を達成するためのアルゴリズムが多く存在する中で、どれが一番良いアルゴリズムなのかを導き出す必要があります。
私たちの身近なところでは、乗換案内アプリにもアルゴリズムが使われています。現在地から目的地まで、最も安い行き方や最も早い行き方など、目的別に行き方が表示されますよね。これには、最も安く到着するためのアルゴリズム、最も早く到着するためのアルゴリズムが使用されているのです。
家庭でも、目的を達成するために何通りかの方法を考えて、最も良い方法を導き出す練習をすることができます。
例えば、「画用紙で三角形をできるだけ多く早く作るためにはどのような方法があるか?」「お皿洗いではどのような方法が最も早くお水を無駄にせず洗うことができるのか?」そういったことを普段から一緒に考えて実践し、確かめてみることができると良いですね。
情報の扱い方をトレーニング
よく使われる言葉でいうと、情報リテラシーのことです。情報リテラシーとは、情報を自分で集め、選択し、活用する力のことで、この力はプログラミングに限らず、IT化が進む現代ではますます必要な力です。
情報リテラシーが低ければ、トラブルに巻き込まれる可能性も否定できません。普段から親子で、インターネットを始めとする様々なメディアから情報を集めるトレーニングをしておきましょう。
例えば、「カブトムシを捕まえたい」などという目的を利用すれば、インターネットなどから情報を集め、「どれが正しい情報で、どの情報を信用するのか?それを判断するために必要な知識は何か?」という情報リテラシーを身につけるトレーニングができますね。
おすすめ教材は?
導入におすすめなのは「Run Marco!」
プログラム的な命令を使用してゲームを進めていくことができるので、遊びながらプログラミングの基礎を学ぶことができます。
視覚的に学べるのは「SCRATCH」
ブロックを積んでいき実際にキャラクターを動かすプログラムを作っていきます。ブロックの凹凸で、可能な組み合わせかどうかがわかるので直観的に学習することができます。
ただ、細かい設定が必要な箇所があり難しく感じる場合があるかもしれません。その場合は、文字を使わない5~7歳向けの「SCRATCH Jr.」もありますので、まずはそちらから使用することをおすすめします。
算数が苦手な子には「算数パズル」
算数パズルの中でも特におすすめなのが、論理の問題です。
例えば、「家族4人で川を渡りたいが、70kgよりも重いと沈んでしまうボートが1槽しかありません。父65kg、母50kg、兄35kg、あなたは25kgです。4人ともボートを漕ぐことができます。一番少なくて、ボートは何回川を渡りますか?」といったような問題です。
筋道をたてて物事を考える習慣を身につけることができますよ。
▽おすすめ教材はこちら▽
■考える力がつく算数脳パズル 論理なぞぺー 小学1年~6年
■賢くなるたんていパズル 国語と算数をのばす推理 やさしい
また、算数パズルの代わりにジグソーパズルもおすすめです。簡単にできるパズルではなく、少しだけ難しいレベルのパズルを選ぶと良いでしょう。
まとめ
さて、【後編】では、プログラミングを習うべき時期や家庭でもできる土台作りをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
子どもの様子を見ながらであることが前提ですが、早ければ早いほどプログラミングを楽しく習得していけることがわかりましたね。家庭でできることを早速始めつつ、プログラミング教室で本格的にプログラミングを学びましょう!
〔参考〕
書籍:「プログラミングができる子」の育て方:竹内薫著
書籍:子どもの才能を引き出す最高の学び プログラミング教育:石嶋洋平著 安藤昇監修
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