モンテッソーリ教育とは?子どもに身につく4つの力【前編】
今、世界ではどのような教育を受けるのかを選べる時代になりつつあり、従来の教育に代わる教育は「オルタナティブ教育」と呼ばれています。日本で有名なオルタナティブ教育の一つがモンテッソーリ教育。将棋棋士の藤井聡太さんが受けていた教育としても、話題となりました。
モンテッソーリ教育の教育法を取り入れている幼稚園や保育園は多く、またモンテッソーリ教育は教育法ですので、始めようと思えば家でも実践が可能です。
そこで今回は、モンテッソーリ教育とはどのような教育法なのか、そしてモンテッソーリ教育を受けた子どもにはどのような力が身につくのかを解説していきます。
【前編】では、前知識としてモンテッソーリ教育についてご紹介します。
モンテッソーリ教育とは?
モンテッソーリ教育の考案者は?
モンテッソーリ教育は、イタリア発の女性医師であったマリア・モンテッソーリによって考案された教育法です。
対象は?
アメリカやヨーロッパでは大学までモンテッソーリ教育が受けられる場所もありますが、日本での主な対象は乳幼児期の子どもたちです。日本では教育が自由化されていないため、義務教育前の幼児教育として広まっているのですね。
基本の考え方は?
モンテッソーリ教育では、子どもには自分を育てる力があるという前提を持ちます。そのため、子どもが最も自分を成長させる敏感期に、潜在的な力を引き出せる環境を与えてあげ、ときに教師や親がお手本を提示してあげることが重要だと考えられています。
モンテッソーリ教育を受けた有名人は?
モンテッソーリ教育を受けた有名人は、日本では将棋棋士の藤井聡太さんが有名ですが、海外でも政界人や実業家、俳優に歌手など名だたる顔ぶれの有名人がモンテッソーリ教育を受けていました。
- ウィリアム王子、ヘンリー王子、ジョージ王子(英国王室)
- バラック・オバマ(前アメリカ大統領)
- クリントン夫妻(元アメリカ大統領と国務長官)
- ピーター・ドラッカー(経営学者)
- キャサリン・グレアム(ワシントン・ポスト経営者、ジャーナリスト)
- ラリー・ペイジ、セルゲイ・ブリン(グーグル創業者)
- ジェフ・ベゾス(Amazon.com創業者)
- ジミー・ウェールズ(Wikipedia創始者)
- マーク・ザッカーバーグ(Facebook創業者)
- ビル・ゲイツ(Microsoft創業者)
- ヒュー・グラント(俳優)
- ショーン・ディディ・コムズ(歌手、俳優、レコードプロデューサー)
- ダコタファニング(女優)
- テイラー・スウィフト(歌手)
- ビヨンセ・ジゼル・ノウルズ(歌手)
- ジョージ・クルーニー(映画俳優、監督)
- ウィル・ライト(ゲームソフト開発者)
- ジュリア・チャイルド(料理家)
- ガブリエル・ガルシア・マルケス(小説家)
- アンネ・フランク(『アンネの日記』の著者)
モンテッソーリ教育を表す3つのワード
重要ワード1「環境」
モンテッソーリ教育では整備された環境を重要視しています。いくら子どもに潜在的な力が備わっていても、子どもが力を活かせる環境やその環境をどう利用するのかがわからなければ、力を引き出すことができません。私たち大人は、子どもが潜在的な力を引き出せる環境作りをしてあげる必要があるのです。
例えば、「破る」を習得する時期の子どもには新聞など破ることができるものを与えたり、「聞き分ける」を習得する時期の子どもには様々な音が鳴る手作りおもちゃを与えたりします。
また、「発達段階」という言葉があるように、人間は必要な能力を順番に習得するようプログラムされています。子どもは自分自身で、今何を習得できるのかということをよくわかっているということです。環境を準備してあげたら、周囲の大人は焦らず急かさず、子どもを見守ります。
重要ワード2「提示」
整備された環境を用意するときに必要なのが提示することです。これは、一方的に教え込もうとするのではなく、あくまでもお手本を見せてあげるということ。
例えば、積み木を用意したら、実際にどのように遊んでいるところを子どもに見せます。その際、積み木を掴み、設置面を決め、既に置かれている積み木の上に乗せる、という動作をゆっくりと見せてあげるのです。
ここでの注意はあくまでも提示ということ。このとき子どもが上手くできなくても、間違いを直してあげる必要はありません。失敗の機会を与え、自分で考える機会を与えてあげることも大人の役割です。
重要ワード3「敏感期」
子どもの潜在的な力を引き出すのに適切な時期と考えられているのが敏感期です。脳の潜在能力を引き出すためには、神経細胞同士のネットワークをつくる必要があり、脳科学の分野では3歳までにそのネットワークがほとんどできあがると言われています。
そのためモンテッソーリ教育では人格や能力の土台となるような発達の敏感期は、3歳までに最も強く現れるとし、0歳から3歳までを乳幼児期前期、3歳から6歳までを乳幼児期後期とし、それらを併せて敏感期としています。
まとめ
さて、【前編】ではモンテッソーリ教育とはどのような教育法なのかをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。適切な時期に子どもの潜在能力を引き出す環境を準備することがモンテッソーリ教育の考え方だということがわかりましたね。
【後編】では、モンテッソーリ教育の具体的な内容、そしてモンテッソーリ教育で子どもに身につく4つの力をご紹介していきます。
〔参考〕
モンテッソーリ教育について:日本モンテッソーリ教育綜合研究所
モンテッソーリ教育を受けた子供達のその後は?!海外の有名人10人
あの人も!?モンテッソーリ教育を受けた著名人・有名人まとめ
書籍:モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方:伊藤美佳 著
書籍:モンテッソーリ教育を受けた子どもたち-幼児の経験と脳-:相良敦子 著
この記事へのコメントはありません。