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モンテッソーリ教育とは?子どもに身につく4つの力【後編】

【前編】では、モンテッソーリ教育とはどのような教育法なのかをご紹介しました。

適切な時期に子どもの潜在能力を引き出す環境を準備することが、モンテッソーリ教育の考え方だとわかりましたね。

【後編】では、モンテッソーリ教育の具体的な内容、そしてモンテッソーリ教育で子どもに身につく4つの力をご紹介していきます。

モンテッソーリ教育では何をする?


出典:photoAC

乳幼児前期(0歳~3歳)

モンテッソーリ教育では0歳から3歳までを無意識の時期と呼び、今後は習得が難しくなることでも簡単に習得できてしまう時期としています。

 1. 大きな動きの活動
大きな動きとは、歩いたり、階段の昇り降りをしたりなど全身を使った活動のことで、ずり這いから歩けるようになるまでの過程で、各時期に適切な援助をしていきます。

2. 細かい運きの活動
手や指を使った細かい運きのことです。握る、落とす、たたく、破る、引っ張る、投げるなどたくさんの動きを繰り返し行い習得できるよう援助します。

3. 日常生活の練習
大きな動きと細かい動きを組み合わせて、コップを握ったり、帽子を被ったりと日常生活に応用していきます。

4. 言語教育
発達段階に合わせた段階を踏み、たくさんの質の良い言葉に触れさせます。英語絵本の読み聞かせをすることも。

5. 感覚教育
発達段階や興味に応じたものに触れ、サラサラ、ザラザラ、ツルツル、ガタガタなど様々な感覚を体感させます

6. 音楽
聴くこと、楽器を鳴らすこと、歌うこと、踊ることができる環境を用意します。聴くことでは、クラシックなど質の良い音楽を与えるようにします。

7. 美術
クレヨンや絵筆で絵を描いたり、粘土をこねたりします。音楽同様、質の良い絵画を観ることも。

乳幼児後期(3歳~6歳)

3歳から6歳までは、乳幼児前期に無意識に習得したことを、意識的に整理をしていく時期です。

1. 日常生活の練習
歩く、はさみで切る、コップに水をそそぐ、ボタンをかけるなどのやり方を正確に提示してあげます。

2. 感覚教育
小さなものやかすかな音、微妙な匂いや味をなどに意識を向けていきます。
また、モンテッソーリ教育では「対にする」「段階づける」「分類する」という、3つの操作のある感覚教具を使用します。
大きいものから小さいものを積み重ねていくピンクタワーが有名です。

3. 言語教育
絵カードや単語ならべなどを通し、語彙を豊かにしていきます。

4. 算数教育
数字や物の大きさ、量を実感できるようにします。例えば「数字の1」がわかるということは、「1」という文字、「いち」という読み方、「●=1」という量を全てわかっている状態です。

5. 文化教育
歴史、地理、地学、動植物など、小学校の社会科や理科に繋がることを学びます。

モンテッソーリ教育で身につく4つの力


出典:photoAC
モンテッソーリ教育の目的は、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」こととされています。

そしてモンテッソーリ教育を受けた子どもには、もちろんそれぞれの個性はありながらも、似通った共通点があります。ここではその共通点を4つに分類し、ご紹介します。

1. 問題解決力

「○○しなさい。」「○○してはいけません。」と言われながら育った子どもは、自分のやることは自分に選択権がなく、誰かの指示で動くものだということを身につけてしまいます。
また、周囲の大人が子どもの失敗を防いであげたり、失敗を正してあげたりすると、失敗を経験することができません。
すると、いざ大人になって失敗に直面したとき、自分で対処ができないようになってしまうのです。

モンテッソーリ教育での大人の役割は、指示ではなく提示です。
指示は一瞬で終わりますので、そこに子どもの思考は生まれませんが、提示には子どもが自分自身で考える時間が生まれるのです。

例えばハサミを使う場面では、まず、ハサミの正しい持ち方、ハサミの動かし方、利き手ではない手の使い方が子どもに見えるよう、実際にゆっくりとやってみせます。これが提示です。提示した後は、実際に子どもにハサミを使わせてみます。

きれいに切れずにガタガタになってしまうかもしれませんが、「もっとこうするといいよ。」と助言はせず、「ハサミを使えたね!」とできたことをほめてあげます。そうすると子どもは失敗を恐れず何度もハサミを使ってみようとしますし、その中でどうしたら切りたいように切ることができるのかを試行錯誤していくのです。

失敗と試行錯誤を繰り返した子どもたちは、自分の頭で考え、自分で判断し、自分で解決することができる、問題解決力の備わった子どもになります。

2. 人を思いやる力

モンテッソーリ教育では、基本的に子どものやることを否定しません(命に関わること緊急時などを除いて)。子ども同士のケンカも、できるだけ介入しないようにするのです。

子どもを否定しないということはわがままに育つのではと心配されることもありますが、周囲の大人によって認められていることを実感して育った子どもは、同じように相手のことを認め、思いやることができるようになっていきます。

また、モンテッソーリ教育では、子どもを肯定するのと同時に、子どもを待つことをします。大人の都合で急がなければいけないときもありますが、子どもには子どもの都合がありますから、できる限り待つのです。

周囲の大人に待ってもらうことを充分に経験した子どもは、同じように相手の状況を考え、待つことのできる子どもになります。

3. 集中力

モンテッソーリ教育ではフロー状態と言われる集中する時間を大切にします。例えば、無言でひたすら草をむしったり、アリの行列を見つめ続けたりというのもフロー状態の一つです。周囲の大人はフロー状態に入った子どもにむやみに話しかけることを避けます。

何かに没頭する時間を積み重ねてきた子どもは、集中力をコントロールすることができるようになります。つまり、集中したいときに集中することができる、ということですね。

将棋棋士である藤井聡太さんのあの計り知れない集中力は、モンテッソーリ教育で培われたものなのではないでしょうか。

4. 優れた感覚

モンテッソーリ教育では、体の動かし方や五感、言語感覚、音楽・美術的感覚などをバランスよく身につけていけるように意識していきます。乳幼児期に様々な感覚を刺激された子どもは、その感覚を深く感じることができるようになります。

例えば、幼少期に一流の音楽に触れておくと、音色を聞きわけることができるようになります。純粋に音楽を楽しむ感性が身につくのはもちろん、音を聞き分ける力は言語を聞き分ける力とも関わりが高いので、外国語の習得もスムーズになるのです。

反対に、乳幼児期に刺激されなかった感覚は、大人になって急にその感覚を使えるようになることは稀なのです。乳幼児期に様々な感覚を刺激するモンテッソーリ教育では、優れた感覚を持つ子どもが育ちます。

まとめ

さて、【後編】では、モンテッソーリ教育の具体的な内容と、子どもに身につく4つの力をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

0歳から6歳までの敏感期に、体の動かし方や言語・感覚教育、音楽・美術などバランスよく活動をし、周囲の大人が子どもの持つ力を信じることで、「問題解決力」「人を思いやる力」「集中力」「優れた感覚」が身についた子どもに成長することがわかりました。

周囲との関係性を大切にし、自分の力で人生を切り開いていけるということは、自分で自分を幸せにする力があるということです。「自分を幸せにする力」こそが、モンテッソーリ教育で身につく最大の力なのかもしれません。

 

〔参考〕
モンテッソーリ教育について:日本モンテッソーリ教育綜合研究所
書籍:モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方:伊藤美佳 著
書籍:モンテッソーリ教育を受けた子どもたち-幼児の経験と脳-:相良敦子 著

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