こどもの「思考力」は家庭で高める!親が実践したい方法と注意点
自立して生きていけるようにと、いつの時代にも親は「将来役立つこと」をこどもに身につけさせることに力を注いできました。
本記事では、これからの時代を生きるこどもの必須スキルといえる「思考力」の意義や高める方法、注意点などをご紹介します。
生き抜く力としての思考力
必要な情報はネット検索すれば得られる今日、いかに多くの事項を頭に詰め込むかよりも、得た情報から何を読み取りどう活かすかが問われます。
先の読めない時代であればなおのこと、問題への対処の仕方のベースとなる思考力が重要であり強みともなります。
思考力の土台をつくる幼児期~児童期
こども向けのロジカルシンキング(論理的思考)の本が数多く出版され、因果関係の理解に役立つといわれるプログラミング教室は活況を呈しています。
しかし、小学生くらいまでのこどもはむしろその基礎となる「物事を自分の頭で考えようとする主体性」を育てる段階にあることが多いでしょう。
好奇心のかたまりであり、日々小さなトライ&エラーを繰り返し成長していくこどもは、元来自分で考えることへの意欲に満ちた存在です。
その意欲の芽を摘まず、筋道を立てた考え方へと徐々に導くことが思考力の土台を形成します。
家庭で実践したい思考力を高める方法とは?
思考力の土台を整える場としては、正解の用意されている問題について教える場である学校よりも、正解のない問題にあふれた日常生活の場である家庭のほうが向いていると考えられます。
自分で考えようとする心をはぐくみ、ひいては思考力を高めるために家庭で実践できる方法や注意点にはどういったものがあるでしょうか。
HOWやWHYの問いかけ
どう考えるか、なぜそう考えるかについて折々に問いかけてみましょう。
絵本を読み聞かせた後や買い物時などに「どう思う?」「どうしてそう思う?」「〇〇ちゃんならどうする?」など、他愛もない会話で十分です。
問いに答えることを通し、物事を観察・比較する力、自分の考えをまとめる力が養われます。
熱中する時間を大切に
こどもが何かに熱中して取り組んでいるならば、できる限り好きなだけ取り組ませてあげましょう。
興味と集中力を持って取り組んだ体験から吸収したことは、思考する際の判断材料となります。
先回りしない
こどもが自ら解決策を見出そうという意欲を見せているときは、口出ししたくなってもグッと我慢。
何につけ親が先手を打っているとこどもを指示待ち人間にしてしまうといわれますが、思考力についてもそれは同じです。
こどもの出した答えを否定しない
こどもが自分なりに出した結論を否定することは避けましょう。
考えても結局ダメ出しされると感じれば、こどもは自分で考えることをやめてしまいます。
否定するのではなく「〇〇ちゃんはそう思ったんだね。お母さんはこう思うよ」などと別の考えとして伝えればよいのです。
こどもが自発的に思考・解決しようとしない場合は?
親はあくまでサポート役です。こども本人の性格による部分もありますので、前述のような方法の実践を心がけても思うような手応えを得られないこともあるかもしれません。
そういった場合にはどうすればよいでしょうか。
こどもが興味を持っていることから始めてみる
考える気がないのではなく、考える気になれないだけかもしれません。
こどもが自分の方から「お母さん、聞いて!」と熱心に話しかけてくるようなジャンル(好きなキャラクター、好きな遊びなど)はないでしょうか。
まずはこども自身が興味を持っている分野から始めて、他の事柄にも広げていくようにしてみましょう。
ゆっくり考えればいいと伝える
考えるのに手間取っているだけだとしても、そもそも考えようとしていないとしても、「ちゃんと考えてるの?」などと厳しい口調で迫れば、こどもは委縮し考えることを楽しくやり甲斐のあることとは感じなくなるでしょう。
むしろ「ゆっくり考えればいいんだよ」と伝えましょう。
苦戦しているこどもには焦らなくても大丈夫という安心感を与え、考えようとしないこどもには時間がかかってもいいから自分の頭で考えなくてはいけないのだというメッセージを穏やかに且つ毅然として送ることができます。
必要であれば助け舟を出す
遠慮する必要がなく、自分のペースに合わせてくれたりフォローしてくれたりもする親との会話ではうまく行っても、同じ年頃の友達など他の相手とのやり取りでは自分なりの考えをまとめられないというケースもあるでしょう。
様子を見ていて必要と感じられれば、「〇〇ちゃんはこうしたくて、だけど△△ちゃんはそうしたくないということだよね?」と現状を確認する、「どうしたら皆が楽しく遊べるかな?」と問題定義するなど、系統立てて考えるための助け舟を出してみましょう。
思考力が可能にする「挑戦を楽しめる生き方」
親が教えることができるのは基本的な考え方だけ。こどもが先々直面することになる問題のほとんどが応用問題です。
未知の問題に背を向けずじっくりと考え抜く思考力があれば、課題や困難に立ち向かうことを「自分なりの解決策を見出す挑戦」として受け止められます。
思考力は、仕事などで役立つ技術というだけでなく、幸福な人生を送るためのツールでもあるといえるでしょう。
・「考える力がない子」を変える3つの問いかけ – 東洋経済オンライン
・子どもの考える力・思考力を育てるためにできること – 伸芽’Sクラブ託児
・「考える力」を伸ばすことは幸福に近づく近道 – こどもまなびラボ
・書籍:「自分のアタマで考える子」の育て方 (PHP文庫)
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