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新学習指導要領はどう変わる?3つのポイントと課題【小学校編】

2020年、小学校では新しい学習指導要領が全面実施となります。現在は全面実施に向けた移行期間として、授業内容や授業時数が変化してきていますね。

英語が教科(こちらをクリックすると小学校英語教育の詳しい記事にリンクします。)になる」「プログラミング教育(こちらをクリックすると小学校プログラミング教育の詳しい記事にリンクします。)が始まる」といったことは既にご存知の方が多いのではないでしょうか。しかし、新学習指導要領で変更されたのはそれだけではありません。

そこで今回は、新学習指導要領の3つの変更ポイントと改訂後の課題についてご紹介していきます。

新学習指導要領、3つのポイント


出典:photoAC

「何ができるようになるか」がわかりやすくなる!

子どもたちに習得させたい「生きる力」をよりわかりやすくし、より適切な指導をするために、新学習指導要領では3つの柱として再整理しています。

〔生きる力の3本柱〕
①知識及び技能
②思考力、判断力、表現力等
③学びに向かう力、人間性等

例えば、小学校学習指導要領国語の目標では、下記のデータのように細分化されました。



〔参照〕新しい学習指導要領の考え方:文部科学省

「どのように学ぶか」が具体的になる!

これまでは知識や技能にあたる「何を教えるか」を重視していましたが、これからはそれだけではなく「どのように学ぶか」も重視するようになります。

授業内では、自らが学びの主役となり、周囲の人と共に、より深い学びをしていく活動を積極的に取り入れたり(アクティブラーニング)、他教科の学習内容がリンクし合うような授業を作ったりしていきます。

また、そもそもの土台として、学習計画の効果を今後の計画に反映させる取り組みをしっかりと実施すること、保護者や地域の方々と連携して学習計画を進めていくことを重視しています。

教科の内容が増える!

英語教育が本格化

小学校では3,4年生から外国語活動(こちらをクリックすると小学校英語教育の詳しい記事にリンクします。)が始まり、5,6年生では外国語科としての英語が始まります。それに伴いそれぞれの学年で、授業時数が35時間増加します。

プログラミング教育の開始

プログラミング教育(こちらをクリックすると小学校プログラミング教育の詳しい記事にリンクします。)は教科として始まるわけではなく、既存の科目の中で指導が行われます。

算数や理科、総合的な学習の時間などを使い、実践的なプログラミングを学ぶ時間を設ける他、他教科でも積極的にコンピューター等を活用した活動を行っていきます。

その他

主要教科である国語・算数・社会では、新しい学習内容が追加されました。算数は多くの学習内容が下の学年に降り、最も学習内容が増加しています。

一方理科では、3,4年で学習していた内容が6年に移行しています。

新学習指導要領の課題は?


出典:photoAC

英語教育の人材・時数確保

現在の小学校教員は、当然のことながら英語を指導することを前提としていなかった教員がほとんどですので、外国語が教科化することに不安の声も多くあがっているようです。

英語教育の質を高いものにするため、教員が指導力を身につけるための研修、ALTや地域の人材の充分な確保が課題となっています。

また、3,4年で外国語活動、5,6年で外国語科が始まることにより、授業時数が増えることになります。

朝時間などに1単位時間45分の授業を分けて行う(モジュール授業)ことも可能とされていますが、既に読書などの学習に充てている学校も多く、どのように授業時間を確保するかが早急な課題となっています。

アクティブラーニングの正しい浸透

アクティブラーニング」と聞いたときに、どのような学習方法を想像しますか?「アクティブ」という言葉からグループワークと捉えられることが多いのですが、アクティブラーニングとは活動的な学習ではなく能動的な学習のことです。

アクティブラーニングは教育界ではずいぶん前から周知されている言葉ではありますが、未だにその意味は正しく浸透しきっていないのが現状です。誤った捉え方で授業が行われている場合もあることから、「活動あって学びなし」と言われてしまうことも。

今回の学習指導要領の改訂を機に、アクティブラーニングが目的となってしまうのではなく、能動的な学習の手段として浸透させていくことが課題となるでしょう。

まとめ

さて今回は、新学習指導要領の3つの変更ポイントと訂後の課題についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

今回の改訂ではこれまで以上に「社会や地域との連携」という言葉が多く使用されています。親としてだけではなく、地域の一員として、学校では今何が行われているのかを能動的に知り参加していく姿勢が必要ですね。

■アクティブラーニングについてはこちら
アクティブラーニングって?~「教わる」教育から、「主体的に学ぶ」教育へ

■プログラミング教育についてはこちら
小学校プログラミング教育ってなぜやるの?そして、お家でできるプログラミング教材の選び方

■小学校英語教育についてはこちら
2020年小学校英語教育の変更点と問題点!早期英語教育は必要?【前編】
2020年小学校英語教育の変更点と問題点!早期英語教育は必要?【後編】

〔参考〕
新しい学習指導要領リーフレット 制作後記~リーフレットを読み解くためのヒント~:文部科学省
新しい学習指導要領の考え方:文部科学省

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